これであなたも、日本語教師!

日本語教育能力検定試験合格を目指して独学でがんばる人の応援ブログ

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赤本第2部「言語と教育」の読みかた

 2月は、あっという間に過ぎ、3月も既に折り返し点です。赤本読みは、順調に進んでいますでしょうか。今日は、第2部「言語と教育」の読みかたです。

 なお、毎々言いますが、赤本は第5版を使用しています。第4版に比べて統計資料や時事情報が刷新されているほか、用語も微妙に変わっていたりします。第4版を使用されている方は、それらを踏まえて学習してください。

 検定試験では、この教え方の変遷の経緯や、各教授法の特徴について多く出題されます。が、安心してください。赤本ではそれらが項目別に、とても分かりやすくまとめられています。

 例えば、文法訳読法は、<学習目的および到達目標><必要な教材および教具><指導および練習法><長所><短所>の項目で特徴がまとめられています。

 教授法を教え方の総論とすると、各論はコース・デザインです。コース・デザインとは、日本語教育5W1H的に計画に落とし込んだものです。

 ここでも、コースの流れと各工程での作業内容を掴むように読み進めてください。

2.第2章以降の読みかた

 第2章以降は、それほど重要度は高くありません。一通り読んだら確認問題をして、それを基に再度重要点や用語の理解を図るという読みかたがいいと思います。つまり、平板的に読むのではなく、重要なところとそうでないところを区別して、メリハリをつけた読みかたをしましょう。 

 

 

赤本、第1部「言語一般」の読みかた

 赤本(第5版)16pに書いてあるように第1部は出題頻度がとても高く、また試験ⅠからⅢまでに渡って出題されますから、最重要分野と言っていいでしょう。

 特に第1部の過半数を占める文法関係は日本語教育の要なので、そこを疎かにしては検定試験合格の道はありません。万が一通ったとしても、その後の日本語教師としての活躍は厳しいものがあるでしょう。 

赤本を読もう!

 3月になりました。いよいよ検定試験の勉強に入ります。まずは、赤本(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド/第5版)です。

 あなたは赤本第5版が手元にありますか。2月のブログで言いましたように、第5版は第4版より格段に進化しています。まだの方は、ぜひ第5版を入手してください。

1.覚える(記憶する)ことよりも、理解することを優先する。

 まだ試験日まで半年以上あります。今から暗記していたら大変です。長期間にわたって記憶を維持しなければいけません。そんなことにエネルギーを費やすのではなく、まずは全容を把握することに努めましょう。

2.今月は第5部まで。第6部(音声分野)と第7部は、4月に回す。

 今月は「全容の把握」がテーマでした。第1部から第5部までが出題範囲なので、これが全容になります。

 また、第6部と第7部は赤本通りではなく、少しアレンジして勉強した方が良いと私は考えていますので、来月に回します。

3.ノートは特に要らない。ひたすら読む。

 最初に書いたように「理解優先」ですから、赤本に書いてあることが理解できるかという基準で読み進めてください。理屈や用語や数字を覚えようとしないでください。そんなことをすると、却って不安になったり自信を無くしたりするだけです。

 もし、理解できないことがあったら、ネットや青本日本語教育のスタートライン/スリーエーネットワーク社)で調べ、理解に努めます。それでももし分からなければ、ノートに「〇〇について××と書いてあるが、分からん」と書いておきます。

 このようにノートは最小限にして、理解できたら次から次へと読み進めます。きちんときれいにノートにまとめてたら、とても時間が足りません。それに、写すことにエネルギーが取られ、記憶に残ることはあまり期待できません。

 私も、最初は赤本などに書かれたことを、きれいにノートにまとめていました。しかし、ニ三日もしたら、ほとんど覚えていないことに気づき、愕然としました。ノートに書いたということで、覚えた気になっていただけでした。

4.緩急をつけて読む。

 赤本には、出題頻度を示す★や、重要箇所を示すアイコンが記されています。重要アイコンや★★★が付いているところは、じっくり腰を据えて読みましょう。

 逆に、重要アイコンが付いてなかったり★が一つの箇所は、さらっと通り過ぎてください。

 以上、赤本の読み方です。が、これは総論です。各論は多少異なってきます。次回からその各論を、第1部から順にお話しします。

 

セルフ420時間独学講座を開講しよう!

 2月は検定試験勉強の準備月間として、いろいろ準備していただくものを紹介してきましたが、整いましたでしょうか。最低でも赤本のできれば第5版と、過去問の2017年度から2020年度までをご用意ください。

 いよいよ3月から当ブログでの学習が始まりますが、ここでもう一度学習方法を確認します。

 まずは学習時間です。今年初めて一から独学で受験する人は、420時間を目安にしましょう。

 420時間の根拠は、特にありません。正直、420時間養成講座を多少意識していますが、3月から9月までの7か月を毎日2時間、1か月60時間勉強すれば420時間になるので、妥当な数字かと思います。

 あくまでも目安です。ご自分の生活スタイルと照らし合わせて設定してください。毎日2時間としましたが、例えば平日1時間、土日5時間の週15時間でもいいでしょう。

 大切なのは、毎日やるということです。どんなに忙しくても、どんなに疲れていても30分、いや15分でもいいので、毎日検定試験のことを考えてください。

 もっと言えば、机に向かわなくてもいいです。通勤電車の中でも、職場の昼休み時間でもいいです。とにかく、いつも頭の片隅に検定試験のことがあることが大事です。

 そうすれば、何かといろいろな場面で出題範囲に遭遇します。

 例えば、お昼休みに課長に定食屋に誘われ何にするかとなったとき、課長が「私はウナギだ」と言ったら、『おっ、出ましたウナギ文』となるわけです。そこであなたはウナギ文の構造を思い浮かべ、『うん、たしかに述語が省略され、「名詞+だ」になっている』ことを確認します。そしてそのことを、家に帰って家族の誰かに話します。

 もうこれであなたは、ウナギ文は万全です。しっかりあなたのエピソード記憶という宣言的記憶になり、さらに家族に説明することによって手続き的記憶になったからです。この宣言的記憶と手続き的記憶は長期記憶と言われ、しっかり頭の中に残ります。

 またあるときは、同僚のFAX送信のダブルチェックをしてあげて、「ありがとう」と言われます。すかさずあなたは、『今の「ありがとう」はドミドドドだな』と分析し、家に帰って一人暮らしのあなたは、秘かに飼っているハムスターに向かって『ありがとうはドミドドドだよ。ハムスターも一緒だよ』とレクチャーします。

 「ありがとう」が検定試験の音声問題に出ることはないかもしれませんが、こういう日常を繰り返していれば容易にアクセントを聴き取れるようになります。このように、いちいち記憶をたどらなくてもできるようになることを自動化と言います。

 私がこういう勉強法を推奨するのは、暗記の苦労が要らないからです。暗記は、かなりの労力を伴いますし、また忘れやすいものです。もちろん暗記しなくてはいけないこともたくさんありますが、できるだけ手続き化、自動化して、省エネを図りましょう。

 ここまででお気づきの方もいらっしゃると思いますが、今回から重要な用語を太字で書くことにしました。

 ただ、私はとても用語の解説ができるレベルではありませんし、このブログの使命でもありませんから、文脈上必要なとき以外は基本的に用語説明はしません。

 それに、みなさんもその都度、赤本や用語集を当たった方がエピソード記憶になり、単に受身で読み流すよりずっと記憶につながります。

 最後に、今日のおさらいとして、以前投稿した習慣化アプリ「みんチャレ」を再度紹介します。

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 今日の「みんチャレ」チーム検索画面のスクリーンショットです。ご覧のように今年の検定試験を目指す方が、チームをつくってがんばっています。満員だったら、あなたが新たなチームを起こせばいいです。今ならすぐに5人集まります。

 みんなで切磋琢磨しますから、なかなかサボれません。と言うより、「やらなくちゃ」という気にさせてくれます。

 それに先ほどのエピソード記憶と手続き的記憶です。「今日はこんなことを勉強した」とか「ここのところがよく分からない」といったことをやりとりすることによってエピソード記憶や手続き的記憶になります。特にお勧めは、誰かが発した質問や疑問に対して、赤本やネットで調べて回答することです。とても自分自身の勉強になりますよ。

 それでは、2月はここまでです。3月に入ったら、赤本読みを始めましょう!

 

 

来たー、赤本第5版!

 アマゾンに予約注文した日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド(赤本)第5版が届きました。表紙カバーのコピーにあるとおり、大幅にリニューアルされています。

 第4版に比べてどれだけ改訂されたかお伝えするつもりでしたが、これだけ大きく変わると、とても書ききれません。

 前回、青本日本語教育のスタートライン)の紹介の中で、赤本の説明の希薄さの例として音便を挙げましたが、第5版では辞書形の最後の音に対応して各種音便が生ずることが説明されています。

 動詞の区分では、これまでⅠ型動詞(1グルーブ)、Ⅱ型動詞(2グループ)、Ⅲ型動詞(3グループ)という分け方でしたが、1グループ、2グループ、3グループに統一されました。

 また、第5部の「社会・文化・地域」では、時事統計関係のデータや情報が、最近の動向を反映したものになっています。例えば、在留資格「特定技能」は、その1号、2号についての解説が加わりました。

 ほかにも広範囲にわたって改訂されており、大幅リニューアルという謳い文句に恥じない内容です。

 赤本を持っていない人はもちろん、第4版を持っている人もぜひ第5版を入手されることをお勧めします。

 

アクセント問題、できましたか?

 昨日の問題の答え合わせです。問題を再掲します。

問題 

日本語母語話者が、標準語で「磨き上げる」と言ったときのアクセントの型を、下のa、b、c、dの中から選んでください。

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 答えは、dです。間違った方は、昨日紹介した鍵盤アプリなどで確認してみてください。aからdまで、低い音をド、高い音をミとして鍵盤を押してください。dが最も標準語で「磨き上げる」と言ったときに近いはずです。

 なお、ついでに言うと、日本語のアクセントには決まった規則が二つあります。下の枠内に、赤本第4版から引用します。

規則1 語の1拍目と2拍目とは必ず高さが異なる。
規則2 1語の中で山は1拍か、連続した数拍、すなわち1ヵ所のみである。

  規則2の山とは、「高いところ」です。

 この規則から言えば、選択肢のaとbは、規則1違反になります。ただし、気をつけていただきたいのは、検定試験のアクセント問題に出てくる選択肢は、ほとんどが規則違反だということです。山が二つも三つもある選択肢はざらにあります。

 なぜなら、日本語教師として学習者のアクセントの間違いを具体的に指導できるかを問う問題だからです。したがって、上記規則は日本語教育上重要な知識ですが、アクセント問題のときは忘れて試験に集中してください。

 では、本日はここまでです。次回は、予約注文した赤本の第5版が明日届く予定なので、紹介したいと思います。ニ三日前に地元の書店を覗いたら既に出ていましたので少しだけ立ち読みしましたが、大幅に改訂されている感じでした。明日が楽しみです。
  

ピアノ、買ってしまいました。

 というのは嘘で、買ったのは100円ショップ(ダイソー)のピアノのおもちゃです。

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 なぜこんなおもちゃを買ったかというと、聴解試験対策の音感トレーニングに使えるかなと思ったからです。

 私は、検定試験の勉強を始めるまでは、日本語のアクセントは英語と同じように強弱のアクセントと思っていました。

 ところが、実際はそうじゃなかったんですね。日本語は高低アクセントでした。

 下の図を見てください。これは、検定試験のアクセントの問題を模したものですが、外国人学習者がどのようなアクセントで発音しているかを問う試験形式です。

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 上の段が高い音、下の段が低い音で、今仮に高い音を「ミ」、低い音を「ド」とすると、aは、ドドドドミドの音階で下線部の「磨き上げる」を言っていることになります。

 同様にcの場合は、ドミミミドドの音階で「磨き上げる」と言っていることになります。

 試験では流れてくる音声を聞いてa、b、c、d、どの型かを選択します。ここで音感がとても重要になってきます。

 このとき、最も有利なのが絶対音感の持ち主です。楽器の音はもちろん、音声や雑音も、単音ならその音階がすぐに分かるのですから。例えば、「こんにちは」と言われたら、『ドミミミミの音階で言ったな』と分かるのです。

 その点、絶対音感どころか相対音感(ドとミを聞き比べてどちらが高い音か分かる)も怪しい私は、音声になったら完全にお手上げ状態です。初めて過去問の、このアクセントの問題を聞いたときは、「何じゃこれー」と絶望的になりました。6問のうち正解はたったの1問でした。

 その後もこのアクセントの問題は、過去問の回数を重ねても一向に良くなりませんでした。どんなに自分で出来たと思ったときでも、半分の3問くらいしか当たっていませんでした。

 そこで私は対策を変えました。それまで問題音声を音階に変えようとしていたのを、逆にしたのです。先に選択肢の音階を音声に変え、問題音声に近い選択肢音声を選ぶようにしました。

 例えば下の問題なら、選択肢aの「磨き上げる」をドドドドミドの音階で言ってみます。同じように選択肢bはドドドミミド、cはドミミミドド、dはドミミミミドで言ってみて、それから問題音声を聞いて最も近いものを選ぶというやり方です。

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 これでぐっと正答率が上がりました。実際にはこの通りにやる時間が本番ではありませんので、もう一工夫したのですが、それは過去問対策のところでまたお話しします。

 そして、この先に選択肢の音階を音声に変えるレーニングで使ったのが、ピアノならぬスマホの鍵盤アプリです。

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  私と同様、アクセント問題に苦戦しているあなた。あるいは苦戦しそうな予感がするあなた。ぜひ無料の鍵盤アプリをインストールして、耳を鍛えてください。

 iphoneでもAndroidでも、「鍵盤」とか「ピアノ」で検索すればいっぱい出てきます。そんなに高機能なものは要りません。ドとミが区別できればいいです。

  トレーニングは簡単な単語から始めてください。ミカンとかバナナとかリンゴなどをドミミ、ミドド、ドミミというように、鍵盤をいろいろ叩いて(押して?)音階を掴んでいきます。

 そして少しずつ文字数を、正確に言うと拍数を増やしていき、検定試験に出そうな6拍から8拍の言葉で鍵盤練習します。例えば、「今日は寒いですね」という言葉が口に出たら、「寒いですね」をドとミに変換します。

 どうですか。「ドミドドドド」になりましたか。ならなかった? 大丈夫です。4月に特訓しますから。今日のところは、アプリをダウンロードするか、100円ショップに走るかだけでいいです。

 それでは最後に問題です。上のアクセントの問題で、日本語母語話者が標準語で「磨き上げる」と言ったとき、どのアクセントの型になるでしょうか。a、b、c、dから選んでください。答えは次回のお楽しみに。