ピアノ、買ってしまいました。
というのは嘘で、買ったのは100円ショップ(ダイソー)のピアノのおもちゃです。
なぜこんなおもちゃを買ったかというと、聴解試験対策の音感トレーニングに使えるかなと思ったからです。
私は、検定試験の勉強を始めるまでは、日本語のアクセントは英語と同じように強弱のアクセントと思っていました。
ところが、実際はそうじゃなかったんですね。日本語は高低アクセントでした。
下の図を見てください。これは、検定試験のアクセントの問題を模したものですが、外国人学習者がどのようなアクセントで発音しているかを問う試験形式です。
上の段が高い音、下の段が低い音で、今仮に高い音を「ミ」、低い音を「ド」とすると、aは、ドドドドミドの音階で下線部の「磨き上げる」を言っていることになります。
同様にcの場合は、ドミミミドドの音階で「磨き上げる」と言っていることになります。
試験では流れてくる音声を聞いてa、b、c、d、どの型かを選択します。ここで音感がとても重要になってきます。
このとき、最も有利なのが絶対音感の持ち主です。楽器の音はもちろん、音声や雑音も、単音ならその音階がすぐに分かるのですから。例えば、「こんにちは」と言われたら、『ドミミミミの音階で言ったな』と分かるのです。
その点、絶対音感どころか相対音感(ドとミを聞き比べてどちらが高い音か分かる)も怪しい私は、音声になったら完全にお手上げ状態です。初めて過去問の、このアクセントの問題を聞いたときは、「何じゃこれー」と絶望的になりました。6問のうち正解はたったの1問でした。
その後もこのアクセントの問題は、過去問の回数を重ねても一向に良くなりませんでした。どんなに自分で出来たと思ったときでも、半分の3問くらいしか当たっていませんでした。
そこで私は対策を変えました。それまで問題音声を音階に変えようとしていたのを、逆にしたのです。先に選択肢の音階を音声に変え、問題音声に近い選択肢音声を選ぶようにしました。
例えば下の問題なら、選択肢aの「磨き上げる」をドドドドミドの音階で言ってみます。同じように選択肢bはドドドミミド、cはドミミミドド、dはドミミミミドで言ってみて、それから問題音声を聞いて最も近いものを選ぶというやり方です。
これでぐっと正答率が上がりました。実際にはこの通りにやる時間が本番ではありませんので、もう一工夫したのですが、それは過去問対策のところでまたお話しします。
そして、この先に選択肢の音階を音声に変えるトレーニングで使ったのが、ピアノならぬスマホの鍵盤アプリです。
私と同様、アクセント問題に苦戦しているあなた。あるいは苦戦しそうな予感がするあなた。ぜひ無料の鍵盤アプリをインストールして、耳を鍛えてください。
iphoneでもAndroidでも、「鍵盤」とか「ピアノ」で検索すればいっぱい出てきます。そんなに高機能なものは要りません。ドとミが区別できればいいです。
トレーニングは簡単な単語から始めてください。ミカンとかバナナとかリンゴなどをドミミ、ミドド、ドミミというように、鍵盤をいろいろ叩いて(押して?)音階を掴んでいきます。
そして少しずつ文字数を、正確に言うと拍数を増やしていき、検定試験に出そうな6拍から8拍の言葉で鍵盤練習します。例えば、「今日は寒いですね」という言葉が口に出たら、「寒いですね」をドとミに変換します。
どうですか。「ドミドドドド」になりましたか。ならなかった? 大丈夫です。4月に特訓しますから。今日のところは、アプリをダウンロードするか、100円ショップに走るかだけでいいです。
それでは最後に問題です。上のアクセントの問題で、日本語母語話者が標準語で「磨き上げる」と言ったとき、どのアクセントの型になるでしょうか。a、b、c、dから選んでください。答えは次回のお楽しみに。