これであなたも、日本語教師!

日本語教育能力検定試験合格を目指して独学でがんばる人の応援ブログ

最下部に「お問い合わせ」のページがあります。ご意見、ご要望や、何か情報がありましたら、ぜひお寄せください。


●●●●●



検定試験対策副読本のお薦め

 先日、検定試験勉強の教科書は、ヒューマンアカデミー著のいわゆる「赤本」一択と言いました。

 しかし実は、試験勉強が全く初めての人にとっては、ややハードルが高いのではというのが私の感想です。

 特に文法関係は、私たちは日本語の文法を意識しなくても何不自由なく話せるため、学校で国語が好きだった、得意だったという人を除けば、ほとんどの人が曖昧な知識のままでいるのではないでしょうか。

 例えば、音便です。私たちは日頃無意識に、かつ完璧に促音便、撥音便、イ音便などの音便を使い分けていますが、どういうときに促音便になるか、撥音便になるかを説明できる人は、どれだけいるでしょうか。音便の言葉すら知らない、分からないという人も、かなりいるのではないでしょうか。

 ここで赤本に話を戻します。赤本(第4版)の音便の説明は、とても希薄です。Ⅰ型動詞の説明の中で「連用形(日本語教育の活用表では「テ形」「タ形」「タリ形」「タラ形」)に音便形が現れる」とあり、後は活用表で音便ごとの動詞の例が示されているだけです。

 つまり、なぜ音便という発音の変化が生じたのかとか、動詞の語幹の末尾が「く、ぐ」のときにイ音便になる(例、書く→書きて→書いて)といった説明がないのです。

 そして、検定試験にはこれらの知識は必須ですが、この必須のことが赤本では十分に説明されていないので、全くの入門レベルの人には少し難しいと思うのです。

 そこで私がお薦めするのが、赤本の希薄性をカバーする副読本です。具体的には、スリーエーネットワーク社発行、荒川洋平著の「日本語教育のスタートライン」です。

 その表紙カバーの色から、私は勝手に青本と呼んでいます。

f:id:pooman269:20210215011820j:plain

 自分が入門レベルだとか、文法は苦手といった意識がある人は、ぜひ赤・青揃えられることをお勧めします。