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平成30年度過去問、試験Ⅰ問題1、問題2の対策

 前回の結論で「試験Ⅰの問題1と2は、特別な勉強を要しません。その分、他の分野に傾注しましょう。」と言いましたが、今回も問題1、2の対策です。

 なぜなら、特別な知識はそれほど要しませんが、ここは早くスルーする必要があるからです。少しでも早く処理し、後の問題に使える時間を捻出しなければいけません。

 そのためには勘とひらめきを養う、つまり脳トレが必要なのです。

 では、早速始めましょう。

問題1

(1)【二重調音】

 いきなり難問です。赤本にも用語集にも二重調音という用語は出てきません。私は、4を答えとしました。調音するのは子音だけで母音はしないので、母音の[w]が答えだと思ったのです。

 結果は正解でしたが、プロセスは全然間違っていました。そもそも[w]は母音ではなく子音でした。母音の「ウ」の音声記号は [ɯ]でした。

 詳しくは、ブログ「毎日のんびり日本語教師」さんの下記サイトをご覧ください。

母音、子音とIPA(国際音声記号)について - 日本語教育能力検定試験対策|毎日のんびり日本語教師

 すばらしい解説が載っています。これによると、二重調音は[w]だけのようです。

(2)【二重母音の取り入れ方】

 これは比較的簡単でした。ゲーム(geimu)、セールス(seirusu)、メール(meiru)のように、子音にくっついて母音が続くのを二重母音と言うようですが、それぞれの子音は「エ」とか「イ」と発音されることはありません。しかし、レインブーツの「イ」は独立して発音されます。したがって、答えは5です。

(3)【音節数】

 音節の知識があれば簡単です。2の「教育」だけが3音節で、他は2音節です。分からなかった方は、赤本第5版の472ページで確認してください。その際。拍数と音節数の比較も併せて理解しておきましょう。

(4)【アクセント】

 これも、読んでみれば何となく分かるのではないでしょうか。「一喜一憂」だけ、他とは違いますよね。

(5)【短縮語形成】

 「スタメン⇒スターティング・メンバー」「アカハラアカデミック・ハラスメント」「エアロビ⇒エアロビクス」・・・もう分かりましたね。3が答えです。

(6)【転訛形】

 転訛形の意味が分からなくても、「やめとく⇒やめておく」「なにしてんの⇒なにしているの」「帰らなきゃ⇒帰らなくては」「やっちゃいなよ⇒やってしまいなよ」となりますが、「やばい」は何ともなりません。

(7)【漢字の読みとつくり】

 選択肢の1から4は、つくりの読みがそのまま漢字の読みになっています。でも、5の「計」の「十」は何と読むのでしょうか。

(8)【熟字訓】

 熟字訓とは当て字のことでしょうか。先に「あずき」という言葉があって、それに「小豆」を当てたようです。通常の漢字の読みでは読めない読みです。

 ですから、答えは、普通に読める「子供」です。

(9)【テ形の音便化】

 音便化しないのは「話す⇒話して」だけです。

(10)【イ形容詞の作り方】

 これは、秒で答えられますね。「黄」だけが「黄色い」となって他は「〇い」です。

(11)【「こと」の用法】

 これも10秒かかりません。「~ことだ」を「~ように」と言い換えれば一発です。

(12)【「~直す」の用法】

 同じく10秒コースです。下線部の前に「もう一度」を置きます。違和感があるのは何番ですか。そうです、2番です。

(13)【比喩】

 選択肢の2は漱石の小説、3は洗濯機のドラム、4は黒板の字、5は永田町の政治家たち。では1は?

(14)【応答詞の用法】

 4以外は指示命令や依頼に対する応答、4だけが確認に対する応答。

(15)【結果の評価】

 3だけがいい評価で、他は結果を悔やんでます。

 問題1は(3)までは多少時間や知識を必要としますが、後は楽勝ですね。この調子で問題2もいきましょう。

 

問題2

(1)

 ローマ字で書くと分かります。誤用例と選択肢2、3、4の誤用は、余分な音が入った誤用です。それに対して1は「hima⇒ima」と、音が抜ける誤用です。

(2)

 誤用例は「食べよう」が「食べろう」となった誤用です。ですから、逆にすれば分かります。「出来ろう」は「出来よう」になりません。

(3)

 誤用例は「という」が要らない誤用です。でも、選択肢2は「という」を取ると文になりません。

(4)

 誤用例は「およそ」を使うべき誤用ですが、3は「およそ忘れてしまう」となり、違う誤用です。

(5)

 誤用例は「行く前に」とすべき誤用です。しかし2は、「収まる前に」ではなく「収まるまで」とすべき誤用です。

 

 問題2は、どんな誤用か分かればとても早く解けます。いろいろ言い換えたり取ったり入れたりしてみましょう。