これであなたも、日本語教師!

日本語教育能力検定試験合格を目指して独学でがんばる人の応援ブログ

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来たー、赤本第5版!

 アマゾンに予約注文した日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド(赤本)第5版が届きました。表紙カバーのコピーにあるとおり、大幅にリニューアルされています。

 第4版に比べてどれだけ改訂されたかお伝えするつもりでしたが、これだけ大きく変わると、とても書ききれません。

 前回、青本日本語教育のスタートライン)の紹介の中で、赤本の説明の希薄さの例として音便を挙げましたが、第5版では辞書形の最後の音に対応して各種音便が生ずることが説明されています。

 動詞の区分では、これまでⅠ型動詞(1グルーブ)、Ⅱ型動詞(2グループ)、Ⅲ型動詞(3グループ)という分け方でしたが、1グループ、2グループ、3グループに統一されました。

 また、第5部の「社会・文化・地域」では、時事統計関係のデータや情報が、最近の動向を反映したものになっています。例えば、在留資格「特定技能」は、その1号、2号についての解説が加わりました。

 ほかにも広範囲にわたって改訂されており、大幅リニューアルという謳い文句に恥じない内容です。

 赤本を持っていない人はもちろん、第4版を持っている人もぜひ第5版を入手されることをお勧めします。

 

アクセント問題、できましたか?

 昨日の問題の答え合わせです。問題を再掲します。

問題 

日本語母語話者が、標準語で「磨き上げる」と言ったときのアクセントの型を、下のa、b、c、dの中から選んでください。

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 答えは、dです。間違った方は、昨日紹介した鍵盤アプリなどで確認してみてください。aからdまで、低い音をド、高い音をミとして鍵盤を押してください。dが最も標準語で「磨き上げる」と言ったときに近いはずです。

 なお、ついでに言うと、日本語のアクセントには決まった規則が二つあります。下の枠内に、赤本第4版から引用します。

規則1 語の1拍目と2拍目とは必ず高さが異なる。
規則2 1語の中で山は1拍か、連続した数拍、すなわち1ヵ所のみである。

  規則2の山とは、「高いところ」です。

 この規則から言えば、選択肢のaとbは、規則1違反になります。ただし、気をつけていただきたいのは、検定試験のアクセント問題に出てくる選択肢は、ほとんどが規則違反だということです。山が二つも三つもある選択肢はざらにあります。

 なぜなら、日本語教師として学習者のアクセントの間違いを具体的に指導できるかを問う問題だからです。したがって、上記規則は日本語教育上重要な知識ですが、アクセント問題のときは忘れて試験に集中してください。

 では、本日はここまでです。次回は、予約注文した赤本の第5版が明日届く予定なので、紹介したいと思います。ニ三日前に地元の書店を覗いたら既に出ていましたので少しだけ立ち読みしましたが、大幅に改訂されている感じでした。明日が楽しみです。
  

ピアノ、買ってしまいました。

 というのは嘘で、買ったのは100円ショップ(ダイソー)のピアノのおもちゃです。

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 なぜこんなおもちゃを買ったかというと、聴解試験対策の音感トレーニングに使えるかなと思ったからです。

 私は、検定試験の勉強を始めるまでは、日本語のアクセントは英語と同じように強弱のアクセントと思っていました。

 ところが、実際はそうじゃなかったんですね。日本語は高低アクセントでした。

 下の図を見てください。これは、検定試験のアクセントの問題を模したものですが、外国人学習者がどのようなアクセントで発音しているかを問う試験形式です。

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 上の段が高い音、下の段が低い音で、今仮に高い音を「ミ」、低い音を「ド」とすると、aは、ドドドドミドの音階で下線部の「磨き上げる」を言っていることになります。

 同様にcの場合は、ドミミミドドの音階で「磨き上げる」と言っていることになります。

 試験では流れてくる音声を聞いてa、b、c、d、どの型かを選択します。ここで音感がとても重要になってきます。

 このとき、最も有利なのが絶対音感の持ち主です。楽器の音はもちろん、音声や雑音も、単音ならその音階がすぐに分かるのですから。例えば、「こんにちは」と言われたら、『ドミミミミの音階で言ったな』と分かるのです。

 その点、絶対音感どころか相対音感(ドとミを聞き比べてどちらが高い音か分かる)も怪しい私は、音声になったら完全にお手上げ状態です。初めて過去問の、このアクセントの問題を聞いたときは、「何じゃこれー」と絶望的になりました。6問のうち正解はたったの1問でした。

 その後もこのアクセントの問題は、過去問の回数を重ねても一向に良くなりませんでした。どんなに自分で出来たと思ったときでも、半分の3問くらいしか当たっていませんでした。

 そこで私は対策を変えました。それまで問題音声を音階に変えようとしていたのを、逆にしたのです。先に選択肢の音階を音声に変え、問題音声に近い選択肢音声を選ぶようにしました。

 例えば下の問題なら、選択肢aの「磨き上げる」をドドドドミドの音階で言ってみます。同じように選択肢bはドドドミミド、cはドミミミドド、dはドミミミミドで言ってみて、それから問題音声を聞いて最も近いものを選ぶというやり方です。

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 これでぐっと正答率が上がりました。実際にはこの通りにやる時間が本番ではありませんので、もう一工夫したのですが、それは過去問対策のところでまたお話しします。

 そして、この先に選択肢の音階を音声に変えるレーニングで使ったのが、ピアノならぬスマホの鍵盤アプリです。

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  私と同様、アクセント問題に苦戦しているあなた。あるいは苦戦しそうな予感がするあなた。ぜひ無料の鍵盤アプリをインストールして、耳を鍛えてください。

 iphoneでもAndroidでも、「鍵盤」とか「ピアノ」で検索すればいっぱい出てきます。そんなに高機能なものは要りません。ドとミが区別できればいいです。

  トレーニングは簡単な単語から始めてください。ミカンとかバナナとかリンゴなどをドミミ、ミドド、ドミミというように、鍵盤をいろいろ叩いて(押して?)音階を掴んでいきます。

 そして少しずつ文字数を、正確に言うと拍数を増やしていき、検定試験に出そうな6拍から8拍の言葉で鍵盤練習します。例えば、「今日は寒いですね」という言葉が口に出たら、「寒いですね」をドとミに変換します。

 どうですか。「ドミドドドド」になりましたか。ならなかった? 大丈夫です。4月に特訓しますから。今日のところは、アプリをダウンロードするか、100円ショップに走るかだけでいいです。

 それでは最後に問題です。上のアクセントの問題で、日本語母語話者が標準語で「磨き上げる」と言ったとき、どのアクセントの型になるでしょうか。a、b、c、dから選んでください。答えは次回のお楽しみに。

 

 

 

検定試験対策副読本のお薦め

 先日、検定試験勉強の教科書は、ヒューマンアカデミー著のいわゆる「赤本」一択と言いました。

 しかし実は、試験勉強が全く初めての人にとっては、ややハードルが高いのではというのが私の感想です。

 特に文法関係は、私たちは日本語の文法を意識しなくても何不自由なく話せるため、学校で国語が好きだった、得意だったという人を除けば、ほとんどの人が曖昧な知識のままでいるのではないでしょうか。

 例えば、音便です。私たちは日頃無意識に、かつ完璧に促音便、撥音便、イ音便などの音便を使い分けていますが、どういうときに促音便になるか、撥音便になるかを説明できる人は、どれだけいるでしょうか。音便の言葉すら知らない、分からないという人も、かなりいるのではないでしょうか。

 ここで赤本に話を戻します。赤本(第4版)の音便の説明は、とても希薄です。Ⅰ型動詞の説明の中で「連用形(日本語教育の活用表では「テ形」「タ形」「タリ形」「タラ形」)に音便形が現れる」とあり、後は活用表で音便ごとの動詞の例が示されているだけです。

 つまり、なぜ音便という発音の変化が生じたのかとか、動詞の語幹の末尾が「く、ぐ」のときにイ音便になる(例、書く→書きて→書いて)といった説明がないのです。

 そして、検定試験にはこれらの知識は必須ですが、この必須のことが赤本では十分に説明されていないので、全くの入門レベルの人には少し難しいと思うのです。

 そこで私がお薦めするのが、赤本の希薄性をカバーする副読本です。具体的には、スリーエーネットワーク社発行、荒川洋平著の「日本語教育のスタートライン」です。

 その表紙カバーの色から、私は勝手に青本と呼んでいます。

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 自分が入門レベルだとか、文法は苦手といった意識がある人は、ぜひ赤・青揃えられることをお勧めします。

 

聴解問題対策に必須のCDプレーヤー

 検定試験の試験Ⅱは聴解問題です。そして、その過去問はCDを聴いて解答します。つまり、CDの再生装置が必要です。

 この装置を内蔵したパソコンを持っていればいいのですが、持っていなければCDプレーヤーとかCDラジオが必要になります。

 私はCDドライブ内臓のパソコンを持っていますが、下のSONY製のCDラジオを使っています。

 なぜなら、パソコン再生で過去問を解答しようとすると、パソコンのモニター画面と問題用紙の両方を、視線が行ったり来たりすることになります。また、右手のペンとマウスを頻繁に持ち替える必要もあります。

 その点、このCDラジオは付属のリモコンで再生、停止、リバース、リピートなどが左手で簡単に出来、視線も大きく動かす必要がありません。

 また、試験勉強だけでなく、実際に日本語教師としてオンライン授業をするときにも、とても重宝します。

 オンライン授業で聴解練習をするときは、画面共有で問題用紙やスクリプト(台本)を見せながらCDを流します。そのとき再生ソフトも画面で確認する必要があるので、その切り替えが非常に煩わしくなります。

 今、あなたは10月の検定試験をゴールとしているかもしれませんが、これは実は通過点です。その先にはすぐに日本語教師としての授業が待ち構えています。学習効率と将来像を考えれば、CD再生機器を別途用意するのがよろしいかと思います。

 どんな機器にするのかは、あなたの自由です。でも、令和元年度試験ⅡのCDトラック番号は46番まであります。過去問学習では何回も再生したりリピートしたりします。簡単にトラック番号を選べ、かつリモコンで操作できるものをお薦めします。 

 家電量販店がお近くにあれば、実際に見て触って確かめるのがいいと思います。

 

 

 

 

お薦めの過去問解説サイト

 ネットの時代ですから、ブログやYouTubeなど、巷にはたくさんの検定試験対策情報が流れています。過去問解説サイトもいくつかあります。

 しかし、私が一番お薦めするのは『毎日のんびり日本語教師』というブログです。現在、中国の大学で日本語教師をしている髙橋さんという方が運営しているブログです。

 まずは、ホーム画面のスクリーンショットをご覧ください。

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 いかがですか。すごいですよね。平成23年度から昨年度までの全過去問について、詳しく解説されています。しかも無料で。

 過去問以外にも、文法、音声、教授法、記述問題対策など、多岐にわたった解説があります。もう、教科書が要らないくらいです。

 正直、私は過去問はもちろんのこと、音声問題対策や記述問題対策もこのブログで勉強しました。あくまでも私の個人的感想ですが、他の出版社が出している対策本より格段にこちらの方が分かりやすく、説得力があります。

 ブログに、やや控えめに書いてありましたが、相当たくさんの検定合格者からお礼メールが届いているようです。もちろん私もその一人です。このブログがなければ、私の合格はありませんでした。

 大事な事を言い忘れました。凡人社の過去問題集は解答だけで解説は一切ありません。過去問解説は必須です。くれぐれも、このブログのお世話になるようお願いします。

 また、トップページにあるように、4月からオンラインの検定試験対策講座が開かれるようです。過去問解説と併せてこれを受講すれば、「鬼に金棒」です。基礎知識に不安がある方は、受講料もリーズナブルですので、ぜひ検討してみてください。

 髙橋さんのブログは、『毎日のんびり日本語教師』でググればすぐに出てきますが、一応URLも貼っておきます。必ず「お気に入り」に入れてくださいね。

https://nihongonosensei.net/