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平成28年度過去問、試験Ⅰ問題1、問題2の対策

 5月のGWも、あっという間に終わりました。皆さん、いかがお過ごしでしたか。ピンチをチャンスにと、コロナ禍の引きこもり時間を検定試験対策に有効活用した人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 さて、5月の第1週の課題は平成28年度の過去問でした。何度も言いますように、私は全分野にわたって過去問解説できる力量は持ち合わせていませんので、あまり知識がなくても感覚とテクニックで解ける問題の多い、試験Ⅰの問題1と問題2の対策についてお話しします。

 全分野にわたっての過去問解説は、前回もご案内しましたが『毎日のんびり日本語教室』さんのブログを訪問してください。

問題1

(1)

 問題1の(1)は、音声記号の問題と決まっています。ここで、以前案内した音声表や、問題用紙に書く音声メモが早速役に立ちます。

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 [ɸ]、[ç]、[s]、[θ]は摩擦音の行にあり、[ɾ]だけが弾き音です。したがって、答えは4です。

 別の解き方もあります。カタカナ音にしてみます。[ɸ]、[ç]、[s]、[θ]は、それぞれフ、ヒ、サ、シに相当します。上の右のメモを見てください。中断にフサシヒとありますね。[ɾ]はラで下の段ですから、別物です。ということで、やはり答えは4になります。

 このように問題1は、一つだけ異なるものを選ぶ問題ですから「ほかと違う」ということが分かればいいです。極端に言えば、摩擦音や弾き音が分からなくても、音声記号の位置関係が分かれば解けます。

(2)

 この問題は簡単ですね。上から順に「に年に月、よ年し月、ろく年ろく月・・・」と読むだけですから。

(3)

 これも、【 】内に示された観点に従って、「こわい(イ形容詞)⇒こわがる(動詞)、学生(名詞)⇒学生たち(名詞)、高い(イ形容詞)⇒高さ(名詞)・・・」と品詞の変化を見れば、答えが出ます。

(4)

 各動詞グループの活用ルールに従ってナイ形をつくります。すると、「ある」は5段動詞ですが「あらない」ではなく「ない」になります。したがって答えは4です。

(5)

 最初見たとき、私は違いがすぐ分かりませんでした。でも、「~だ」を付けてみたら、「同じ」だけが「同じだ」となり、他は「このだ、あらゆるだ・・・」と文になりませんでした。

 このように連体詞がよく分かっていなくても、言い換えを工夫すれば解けます。

(6)

 これも簡単です。「渡る⇒渡す、通る⇒通す、回る⇒回す・・・」とできますが、「走る⇒走す』とはなりません。

(7)

 私は、「切る」の意味から「飲み切る⇒飲み終わる」、「使い切る⇒使い終わる」と言い換えてみました。そして、「噛み切る⇒噛み終わる?」となって、答えが分かりました。

(8)

 形式の反対は実質。ということは、形式名詞は実質的な意味を持たないとゆうことか。でも、「わけ」はちゃんとした「事情とか理由」といった意味があるぞ、とゆうことで答えは1。

(9)

 最初にこの問題を解いたときは、まだモダリティがよく分かっていませんでしたが、何となく4の「読んでもいい」は説得力が弱いなと思い、4としました。答えは〇でした。

(10)

 これもよく分かりませんでしたが、「から」を「は」に代えてみたらすぐ答えが見つかりました。

(11)

 「~ぱなし」を「~たまま」に置き換えてみたら、簡単でした。

(12)

 「ことにする」を取ってしまいました。文にならなかったのは3でした。

(13)

 分数の問題にしてみたら、4だけが分数にできませんでした。

(14)

 前件と後件の時制を比較してみました。5だけが逆でした。

(15)

 この問題だけは、勘とひらめきで解くことはできません。赤本の言語類型論をしっかり勉強しましょう。答えは2です。

 

問題2

(1)

 誤用例は「かんじゃ」を「かんしゃ」とする誤用。同じように「うらない⇒うなない」「だいがく⇒たいがく」「がんばって⇒かんばって」「あるばいと⇒あるぱいと」と書いてみます。

 ここで思い出していただきたいのが、無声音の「葉っぱ坂田」。ハ行、パ行、サ行、カ行、タ行の音は無声音というものでした。

 すると、「うらない⇒うなない」だけが「有声音⇒有声音」で、他は「有声音⇒無声音」の誤用。つまり、答えは1です。

(2)

 下線部を「~くなりました」に替えてみます。4だけが「緊張くなりました」となって具合が悪いです。

(3)

 「よく」を「たくさん」とした誤用と考えて、「よく」に替えます。2だけが意味が変わってしまいますので、答えは2です。

(4)

 活用語尾を取って「~そうです」とします。3だけが「帰ってきそうです」となって、意味が変わります。したがって、答えは3です。

(5)

 「ね」を取ります。1以外は全く問題ありません。1だけが変な応答です。

 

 いかがですか。結局、日本語教育の専門知識がないと解けない問題は20問中3問だけでした。逆に言えば、専門知識がなくても勘とひらめきで8割取れるのが、試験Ⅰの問題1と問題2です。

 つまり、試験Ⅰの問題1と問題2は特別の勉強を必要としません。これ以降の問題で7割取れる勉強をすれば、必然的に満点に近い点数が取れるでしょう。

 「試験Ⅰ問題1、問題2の対策」と銘打っておきながら、変な結論になってしまいました。強いて言うなら、「勘とひらめきを鍛えよう」が対策になるでしょうか。