試験Ⅱ、問題2(プロソディーの問題)の対策
試験Ⅱの問題2は、プロソディーの聞き取りの問題です。プロソディーとは、用語集では超分節的特徴などと説明されていますが、要は表記では示されない言語の音声的特徴だと私は理解しました。
試験では、アクセントの下がり目、プロミネンス、拍の長さ、句末・文末イントネーション、ポーズの位置、特殊拍の種類が、単独または組み合わされて選択肢になっています。
それぞれの音声的特徴の意味は、赤本や用語集で確認してください。ここでは解法のテクニックについて書きます。
1.アクセントの下がり目
ほとんどの問題の選択肢に「アクセントの下がり目」が入っています。令和2年度は全問に、令和元年度は6問中5問に入っていました。
したがって選択肢にこれがあれば、学習者の音声にアクセントの下がり目、つまり「ミ」から「ド」に下がる箇所があるか、あればその位置が正しいかを聞き取る必要があります。
とは言っても、問題1のアクセント問題同様、私のような音感が苦手な人にはなかなか難しいと思います。
そこで私は過去問のCDを何回も聞いて、裏技を見出しました。それは、前回も書いたことですが、アクセントの下がり目は強く発音されやすいということです。
例えば、教師から「どんなスポーツが好きですか」と問われて、「私はテニスが好きです」と学習者が「す」を強く発音していたら、アクセントの下がり目に問題があることになります。
2.プロミネンス
問題2の音声は、ほとんど質問形式です。通常プロミネンスは、訊かれたことに対する答に置かれます。
したがって、教師から「どんなスポーツが好きですか」と問われて、「私はテニスが好きです」と学習者が「テニス」を強く発音していたら、プロミネンスには問題がないことになります。逆にそれ以外の「私」や「好きです」が強く発音されていたら、ブロミネンスに問題があります。
3.拍の長さ
これはそんなに難しくないでしょう。例えば、「ヨーロッパ」を「ヨロッパ」と言っていたら拍の長さに問題があることになります。
いや、「ヨロッパ」の方が正しい英語の発音に近いかもしれない、なんてことは考えなくていいです。あくまでも外来語としての「ヨーロッパ」が基準になります。
4.句末・文末イントネーション
これも、発話意図を正しく聞き取れば、それほど難しくないでしょう。疑問文なのに文末が下がっていたり、逆に肯定文が上がっていたりしたら、イントネーションに問題があります。
5.ポーズの位置
ポーズの有無・位置について、発話意図に対して不自然なところがないか、聞き取ります。
6.特殊拍の種類
令和2年度に新しく選択肢として入ってきました。特殊拍は、拍の長さとも関係しますから紛らわしいです。令和2年度では、セットで選択肢になっていました。逆に言えば、この二つが選択肢にあったら、どちらかが答えだと考えていいいでしょう。
例えば上述の「ヨーロッパ」で、「ヨロッパ」であれば拍の長さの問題、「ヨンロッパ」と聞こえたら特殊拍の種類に問題ありとなります。
問題2の音声は一回しか流れません。ですから集中して聞く必要があります。教師の問いに対する学習者の応答を、選択肢を念頭に置いて聞きます。