試験Ⅱ、問題1(アクセント問題)の対策
今日からしばらくは、検定試験の試験Ⅱ、つまり聴解問題の対策を採り上げていきます。
まずは問題1です。問題1は、下のようなアクセント形式の問題です。
この問題には、最初随分泣かされました。過去問が全くできなかったのです。途方に暮れて、赤本やアルクの「合格するための本」を読みました。それでも駄目でした。そして、ブログ『今日ものんびり日本語教師』さんの解説にヒントを得て、自分なりの工夫を加えて独自の対策を編み出しました。
それからは安定して好成績を出せるようになりました。今日はその方法をお伝えします。
早速問題に取り掛かりたいところですが、その前にやっていただきたいことがあります。以前、当ブログで紹介した音感トレーニングです。
日本語のアクセントは、英語や中国語などの強弱アクセントとは異なる高低アクセントです。仮に、高い音を「ミ」、低い音を「ド」とすると、標準語の「にほんご」は、「ドミミミ」のアクセント形式で発音されています。
このように、どんなアクセント形式で発音されているのかを問うのが問題1です。
したがって、受験者は流れてくる音声を聞いて「ドミミミ」のように変換できないといけません。
このため、私は写真のようなスマホの鍵盤アプリを使って、アクセント形式を音に変換するトレーニングをしました。
例えば、下の問題のアクセント形式aなら、「みがきあげる」を「ドドドドミド」と鍵盤で打ち、その音で「みがきあげる」と発声するのです。bなら「ドドドミミド」です。
これを何回もやれば、鍵盤を使わなくてもアクセント形式をドとミの音で読めるようになります。そうなれば「しめた!」です。みなさん、5月から本格的に過去問に取り組む前に、この音感トレーニングを済ませておきましょう。
それでは、具体的な問題1対策です。本番では最初に例題が示されます。この例題は毎年同じなので、みなさんは過去問で聞き飽きるほど聞いていることになります。
したがって本番でこの例題が流れている間に、みなさんは次の作業をしてください。
1.各問題の前半と後半を、下のように線を入れて分ける。
必ずしも真ん中で分ける必要はありません。前半の特徴が分かれるところで線を入れてください。上の例で言えば、3拍まででabとcdの二つの組に分けられますので、3拍目と4拍目の間に線を入れます。
2.次に、前半のアクセント形式をグループ分けする。
下のように、同じアクセント形式のものを半カッコで括ります。このとき、必ずしもきれいに半々になるとは限りません。3:1になったり2:1:1になったりすることがあります。でも、あまり神経質になる必要はありません。それに、時間もありませんから大雑把でいいです。例題の説明中に全6問をなるべくここまでやってください。
例題の説明が終わると、いよいよ1番の音声が流れます。でもその前に、急いですることがあります。それは、
3.分けたグループのアクセント形式を黙読する。
例えば上のようにabとcdに分けた場合、abのアクセント形式で「みがき」を「ドドド」で黙読します。次いでcdのアクセント形式で「みがき」を「ドミミ」で黙読します。
4.一回目の音声で、グループを絞る。
本試験では二回音声が流れます。この一回目の音声のときに、abかcdどちらの音声か、自分の黙読と比較して決めます。今仮に、流れた音声がcdの形式の「ドミミ」だったとして、二回目の音声を聞きます。
5.二回目の音声の後半で、正解を決定する。
一回目でcかdのどちらかに絞られましたから、二回目の音声の後半を聞いて一つに決めます。もし後半の「あげる」が「ミドド」であればc、「ミミド」であればdになります。
また、アクセントの下がり目(核)では、強く発音されることが多いので、それにも注意します。下のように、強く発音された拍に○を付けましょう。これで、正解cが決定です。
最初はなかなか要領がつかめず、あたふたとすることが多いと思います。でも、過去問を繰り返すことによって手際よく解答できるようになります。一種の職人技です。つまり、聴解試験対応は「技」なのです。がんばって技を磨いてください。